farmar's talk NEO

キュウリ農家 "夢男"の考える農業のあれこれ…   →農業以外の話題は "pop" http://ftalkpop.hateblo.jp/ へ

雪の中のひとコマ。ふたコマ。

毎年毎年で今に始まったことではないのですが、いい加減、除雪は飽きました。昨年十二月から大雪となって、こんなに早く降ったのだから、気象庁の予報どおり暖冬なんだろうと思っていたら、大ウソつき・・(怒)
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明けてみれば、正月から毎日ビニールハウスまわりの除雪作業・・。おまけにまだ寒中なのに大雨が降ったりしたからビニールハウスの縁は雪が解けて空間ができてる。まるで氷河かなんかのクレバス状態(見たことないですが)。知らずに底を除雪機で通ったりしたら、超重量級の除雪機はビニールハウスに接触、ビニール破損、パイプの破損は当たり前。場合によっては、除雪機が脱出不能、あるいは故障で走行不能になる。ガクブル。・・・ああ、今年はそのすべてをすでに経験済みです(苦笑)
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で、ここのところ、ようやく暖かくなって除雪作業を休むことができました。去年だったらもう半分ぐらい終わっているはずの決算や申告の準備もまだ始めたばかり。調子が乗らないんです。ああ、調子乗らないから、すぐ脱線。

部屋には未読の本の山なんですけど、また新しい本を読み始めてしまいました。今シーズンはちょびっとばっかし大物なんです。それは『宮本常一講演選集(全八巻)』(農文協刊)。昨年末に農文協の販売の人がうちに来まして、茶の間でお茶飲みながらあれこれしゃべっていたら「うちで出してる宮本さんの本、最近、完結したばかりなんです。いかがですか?割引になりますよ」とのこと。宮本さんの本はつまむ程度には読んではいたのですが、まとまった形では読んでない。ちょうど、最近出たこの選集のことはちょっと気になっていたところでした。う~ん、普通に買ったら安くならないから、これはとてもお得。 結局、完結した全八巻をあえて毎月一冊ずつ送ってもらえるということで購入しました。現在、第三巻を読んでるとこです。宮本さんの言葉は、時代が変わっても通用するものです。日本や日本人がなぜ今のようなことになっているのか、読み解くヒントになるような気がします。また、これから僕たちはこうあるべきではないか、という指針。


そんな中、秘湯へ行ってきました。ここ数年農家仲間とやってる「農業はどうあるべきか、どう頑張るか。あるいは、これ好きなんです、と趣味のことを飲みながら言いたい放題、ああ、楽しいや!」といったようなだらだらな飲み会です。昨年に引き続き山の中の温泉が会場。今年は飯豊連峰のふもと、小国町の梅花皮荘(かいらぎそう)というところです。知る人ぞ知るというこの温泉。僕はそこに行くのは初めてだったのでとても楽しみにしてました。山奥だし雪深いと聞いていたからわくわくしながら。心配だった天気も暖かい日が続いているので無問題。心から楽しめます。

すばらしい温泉でした!田舎暮らしだから多少のことでは驚かない僕ですが、この温泉の良さは格別です。まず、その絶景!温泉というとどうしても観光地化されて商売商売となるところなんですが、ここは違う。何もないことが、そっくり自然なことなのが売り。Uターン就農前で他県に住んでいた時に「実家は?」「山形県の飯豊なんです」「へえ、飯豊連峰に登ったことがあるよ。あそこは人の手が入ってない最後の山だと思う。いいところだよ」と言われることがたびたびありました。圧倒的に知名度ない田舎で、唯一知られていたのが飯豊連峰の自然環境なんです。

宿に入ってさっそくビール飲んで、農家仲間のYさんとIさんと近況報告。しゃべりスイッチが入ったら止まりません。そこんとこはもう一年ぶりとは思えません。お酒が入っているせいもありますが、そもそも気が合って自然発生的に始まった会であることがとても大きいです。旧知だし、フェイスブックやブログ等で彼らが何を考え、感じているかは既にわかってはいるのですが、実際にあって何時間も話をするというのは、その空気感といいますか「にほひ」といいますか、ネットワークの世界だけでは成り立たない物理的、いや、ネット上以上の精神世界といいますか・・。あれですね、遠距離恋愛で毎日電話するだけで、その感情を保てない男女みたいなものといいますか・・。ああ、誤解のないように言っときますけど、そんな変な関係ではないです、どこかの神に誓って(笑)

農業を取り巻く環境は厳しいです。仕事の農業の話だけじゃありません。地域の話。子どもの話。どこの町も同じように八方ふさがりのようです。飲みながら話していると、言葉に厳しさがどうしても滲んできます。当然、自分も含めてですが。けれども、その厳しい話を玉ねぎの皮のように剥いて剥いて、その中に必ず残るのが農業への愛です。家族への愛です。いえね、皆「俺は家族を愛してるんだ!」とか「農業が大好き、大好き」なんて言っているわけじゃないんです。でもそれはわかるんです。「俺たちにはこの生き方しかない」という決意というか、覚悟も含めて。だから、この会はとてもいいのです。

温泉から帰る次の日、朝、つかの間の青空が出ました。そこで撮った写真を帰ってから嫁さんに見せたら、帰ってきた答えは「きれい。でも、ただの山だね(笑)」。美しいや美しくないも、感動も無感動も対象は同じそこにあるもの。そこいら辺に転がっている「あたりまえ」をどうとらえるか、僕たち農家ののスキルが問われているような気がしました。