farmar's talk NEO

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宮沢賢治 × 冨田勲 × 初音ミク =

私、四十うん歳。先日、こんなおじさんになったにも関わらず「初音ミク」にはまってしまいました(笑)。いや、正確には「冨田勲」の「初音ミク」にです。

子供たちがユーチューブや自分のウォークマンで、「初音ミク」を始めとするボーカロイドというジャンルの音楽を聴いているということは知っていましたが、それ以上のことはよく知りませんでした。ところがです、先日たまたまNHKの番組「【ETV特集】音で描く賢治の宇宙 ~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~」を見たのです。

冨田勲×初音ミク「イーハトーヴ」@2012.11.23 東京オペラシティ

冨田勲といえば、NHKの『新日本紀行』、手塚治虫の『ジャングル大帝』を作曲した人だとは知ってました。かつてFM雑誌を購読していた時から、モーグのシンセサイザーでクラシック音楽を演奏した電子音楽の草分けであることぐらいは知っていました。その冨田勲が、自身の長年の夢である「宮澤賢治」の作品を音楽で表現する、というのです。しかも、自分の子供たちがよく聴いている「初音ミク」とオーケストラのコラボで。

初音ミク」を耳にすることがありますが、単調なリズムの機械的な音楽である、という印象しかありません。これが、音楽か・・と。それがクラシックなどの壮大なサウンドを作り上げる冨田勲とコラボするとは・・。全く、興味が無かった私でしたが、むくむくと好奇心が芽生え、先のドキュメンタリー番組を見たのです。

八十歳をこえた冨田勲先生が、初音ミク」と共に「イーハトーヴ交響曲」を作り上げる姿がとても印象的でした。八十といえば、もう、引退するのが普通の年齢です。しかし、画面の中の先生の新しい音楽に対する熱意は衰えてはいませんでした。

一方、宮澤賢治。その名前を知らない人はいません。農業に従事している私たちには、その崇高なまでの「農業」「自然」「人間」に対する想いは痛いほど伝わってきます。

さて、番組を見て、ダイジェストでは消化不良をおこしそうで、さっそく「イーハトーヴ交響曲」を iTunes Store でダウンロードしました。『銀河鉄道の夜』のような宮澤賢治世界の住人のような「初音ミク」が歌う曲もある一方、最も人間的農民的である『雨ニモマケズ』はオーケストラと合唱のみの曲でした。なんとも言えない気持ち・・。

アルバムの六曲目「雨にもまけず」の最後の詞、「そういうものに わたしはなりたい」。

ただ一つ、言うとすれば、その言葉を聞いて体の中から震えるものが止まらなかったことだけかもしれません。

「雨ニモマケズ」      宮澤賢治
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ隂ノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

イーハトーヴ交響曲